★4 6年生の学習について
■単元テストについて
5年生の時と比べて大きく変わるのは、復習テストが実施されることです。
3回の復習テスト(4月、9月、11月)の準備にはかなりの時間が必要です。
しかし注意すべきは、復習テストとは関係なく、単元テストは5年生の時と同じようなペースで実施されるという点です!
単元テストをおろそかにはできません。
内容が特別に難しくなるということはありませんが、5年生のときと同じペースで進んでいきます。
つまり単元テストと復習テストのための学習計画を上手に立てることが必要になってくるのです。
単元テストについては、5年生までと同じような準備学習をすればよいでしょう。問題集も「新小学問題集」や「ピラミッド」などを準備しておけば心配ありません。
■復習テストについて
復習テストは実力試験です。試験までに習ったことすべてが「出題範囲」ということになります!
<国語の出題内容と対策について>
問題の構成は大問が2~5題。
長文読解問題が2題(推定60~70点分)。残りは語句・文法問題(推定30~40点分)。漢字などの語句問題は、長文に含まれる場合と独立して出題される場合に分かれます。文法問題は独立して出題されます。文学史的な知識問題は出題されません。
高得点を取るためには、長文対策の学習を知識分野の学習と平行して、計画的に進めていくことが不可欠です。
「国語の学習は時間がかかる!」ということを覚悟しなければなりません。
復習テストの面白い所は、第1~3回にかけて、難易度が上がっていくとは限らない点にあります。
国語力は、学年差より個人差が大きいため、本来は6年になるまでに鍛え上げておくのがベストです。
第1回復習テスト終了後は、実戦あるのみ。
できれば、模擬テスト形式のものを週に2回ペースで確実にこなしていきましょう。
模擬テストのレベルは、過去問と同程度が望ましいです。
■長文問題
通例、2題の大問(長文読解問題)が出題されます。
課題文としては、物語文と論説文、または、随筆と説明文、物語文と随筆など、さまざまな組み合わせがあります。
課題文の長さは、一つの長文につき、およそ1000~2000字。昨今の入試問題を考えれば、決して長くはありません。
設問数は、一つの課題文に対して8~10問程度。設問には難しいものは少ないですが、課題文をきちんと読めているかを問う良問が多いようです。
- 指示語の問題。接続詞の問題。
- 語句の意味を問う問題。
- 省略されている言葉を問う問題。
- 登場人物の心情を問う問題。
- 筆者の考えを問う問題。
- 段落の役割を問う問題。
- 課題文にタイトルをつける問題など・・・・・・
さまざまな問いが設けられています。
特筆すべきは、「接続詞の穴埋め問題」。
きわめて頻繁に出題されています。
記述問題では「書き抜き」をさせる場合もあるので要注意!設問をよく読むようにしてください。
課題文の最初に、「字数制限がある場合は、句読点も一字と数える。」などの注意書きがついている場合もあります。
■語句
点数を取りやすい分野です。
比較的易しい問題が多い傾向です。
四字熟語や慣用句、ことわざなどはきわめて常識的な問題です。
漢字は、5~8問程度の書き取り問題が必ず出ます。漢字書き取り問題は長文の中から出題されることが多くあります。
- 穴埋めは、不、無、非、未を補う問題。
- □意識、□完成、□良品、□常口など。
- 四字熟語を完成させる問題。
- 不言□□、□□工夫、公明□□など。
- 反対語もよく出題されております。
熟語の構成、部首名、総画数など出題範囲は広いです。
■文法
頻出問題のパターンが決まっているため、点数を取りやすいです。
「主語と述語」についての出題が目立ちます。
- 文全体の主語・述語を問う問題。
- 述語を特定して主語を選ばせる問題。
- 短文、重文、複文を見分ける問題。
- 修飾語のかかりうけ。
- 用言を言い切りの形に直す問題。
- 助動詞や助詞の使い方に関する問題。
国語が苦手な生徒さんの場合は、次の3つの段階があります。
・ | 問題文が全く読めていない。 |
・ | 問題文の内容はある程度理解できるが、設問に対する自分の解答がかみ合わない。(課題文の内容に対して客観性をもてない) |
・ | 問題文の内容を理解して、設問に対する自分の解答もかみ合っている(自分のアタマに正解がある)のだが、きちんとした答案が書けない。 |
国語の学習は、お子さんがどういう状況にあるのかを把握しながら進めていく必要があります。
<算数の出題内容と対策について>
問題の構成は計算問題や一行問題なども含めて、全体で15~18問程度です。
単元テスト(範囲テスト)でないことをしっかりと認識して試験に臨む必要があります。
範囲テストではありませんが、既習範囲の試験です。
対策さえ間違えなければ、確実に8割以上を取れる内容です。うまくいけば9割かそれ以上も望めるはずです。
<計算問題>
計算問題は、単なる四則混合計算だけでなく、工夫を要する問題も多く侮れません。
計算問題には必ずといっていいほど、Xを求める問題が含まれます。
計算問題を確実に取ることが算数の好結果につながります。
<一行問題>
一行問題もよく出題されています。
一行問題では、整数の性質(最大公約数や最小公倍数の問題)、概数、割合(食塩水、売買損益、仕事算など)、平均、速さ、植木算、消去算年齢算、拡大縮小など、出題範囲は多岐にわたっています。
<文章題・図形問題>
大問の問題数は、一行問題とのバランスで決まるが、普通4~7題。
大問の内容は、旅人算、通過算、相当算、食塩水、比の応用問題などの速さや割合の文章題。
図形の角度、面積(等積変形なども含む)、相似と面積比、点移動、水量変化、空間図形の性質、容積などの問題。文章題と図形問題が半々といったところです。
<間違いやすい問題例>
一行問題も含めて、難しい問題、間違いやすい問題とは、次のようなものです。
◇文章問題1
明子さんの所持金の3分の1と友子さんの所持金の5分の2は同じ金額で、明子さんと友子さんの所持金の合計は1650円です。この時、明子さんの所持金はいくらですか。(平成22年第3回復習テストより)
◇文章問題2
220gの水に食塩を溶かして12%の食塩水を作る。何gの食塩を溶かせばよいか?(平成15年第3回復習テストより)
◇文章問題3
長さの異なるA、B、2本の棒がある。この棒でプールの深さを測ろうとして、底まで真っすぐに入れたところ、Aは長さの5分の3が、Bは長さの7分の5が水にぬれました。プールの深さを求めなさい。(平成12年第2回復習テストより)
◇文章問題4
ある学校の男子生徒の人数は全生徒数の56%で、女子よりも66人多いそうです。男子生徒の人数を求めなさい。(平成14年第1回復習テストより)
◇図形問題1
下の図は面積の等しい2つの長方形ABCDとEBFGを重ねたものです。BとGを結んだ線と辺CDが交わった点をPとします。斜線部分の面積が32 ? ならば、三角形PCGの面積を求めなさい。(平成20年第2回復習テストより)
◇図形問題2
下の図は、ABを折り目として、おうぎ形の中心Cを円周に重なるように折りまげたものです。このとき、角aは何度ですか。(平成21年第3回復習テストより)
◇図形問題3
図のような角B、角Cが直角の台形ABCDがあり、AB、CDの長さがそれぞれ12㎝、18㎝で、三角形BED、三角形AEDの面積がそれぞれ81 ? 、225 ?です。
① 三角形ABEの面積を求めなさい。
② 台形ABCDの面積を求めなさい。
(平成22年第2回復習テストより)
<単元別の解説>
■整数
一行問題でよく出るパターンは確実におさえることです。この単元の問題は、内容がほぼ決まっているので、段取りさえ把握していれば、あっという間に解けます!
☆例題☆
1. 17でわるとわり切れる整数のうちで、1000に最も近い数を求めよ。
2. 2つの整数の和が180で、最大公約数が36となる2数を全て求めよ。
■平均
一行問題でよく出るパターンと、文章題の応用問題で難しい問題とに分けて練習する必要があります。
一行問題での頻出パターン問題は、5年で学習したことを覚えておけば確実に取れます。
大問で比を絡めてくるような面倒な問題については、じっくりと対策を立てる必要があります。面積図を利用して考えるとはやく理解が出来るようになります。
■速さ
旅人算と通過算がよく出題されます。
この2つの問題については、速さの問題としてより、特珠算としての公式をしっかりと理解するべきです。
旅人算にしろ、通過算にしろ、追いかけるパターンか、出会うパターンかなどを明確にして、解法手順をしっかり覚えることが大切です。
■割合
やはり割合の問題がもっとも学習準備範囲が広く、問題のパターンもよみにくい傾向にあります。
食塩水・相当算・仕事算を中心に簡単な問題から難しい問題まで、できるだけ多くの問題をこなすことが重要です。
食塩水は「濃度天秤」や「面積図」を用いた解き方をマスターしておけば、復習テストレベルの問題は100%大丈夫です。
相当算は「線分図」を使えないと苦しいと思われますので、式だけで解こうとしないこと。
仕事算は特別難度の高い問題は出題されていないので、過去問レベルを徹底的に練習しておけば安心です。
■求角
いわゆる難問はありませんが、間違いやすい問題が出題されているので、問題を数多くこなすしかありません。
市販の問題集では、このジャンルの問題を多く掲載していないので、塾用教材などを利用すると良いかと思われます。
■面積
面積についても、多くの問題を解くしかありませんが、一般の中学受験生にとっての「受験定番問題」は必ずおさえておくこと。
相似と面積比(6年の単元を含む内容)や等積変形などの問題には十分注意して学習してください。
※円の面積も「ラグビーボール形」の応用問題などについては、有名な問題の解法パターンは覚えてしまうこと。例えば、「ラグビーボール形」の面積は、ラグビーボールが内接する正方形の一辺×一辺×0.57になる!というようなことも暗記しておくと大変便利です。
■比
比差算や比例配分、比例式などの文章題を何度も解くこと。
縮図・拡大図の問題もきちんとできるようにしてください。
面積比の問題では時々難しいものも出題されるため、じっくりと取り組んでおく必要があります。
■立体
角(円)柱・角(円)錐の展開図や、体積と表面積の問題は頻出とはいえませんが、出題された場合の配点は大きいです。
体積・表面積を求める公式の意味を理解し、公式を使えるようにしておきましょう。
※各単元にまたがって出題される問題も少なくありません。「比例・反比例」の単独問題としての出題は少ないですが、水量変化の問題などは、「比例」と「体積・容積」を絡めた問題です。点移動の問題も「速さ」と「面積」の複合問題といえます。このような問題はやはり時間をかけて、じっくりと学習するほかありません。
<理科の出題内容と対策>
出題範囲は基本的にそれまでに学習した内容全てということになります。
例えば、第一回復習テスト範囲は、5年生までの学習範囲すべてです。例年、極端に難しい問題が出題されることはありません。
若干の違いはありますが、毎回8~10程度の学習単元から出題されています。
各学習単元は、4~8問程度の設問で構成されています。問題総数は50~70問ほどで、これは第一回~第三回まで共通しています。問題用紙は2枚、解答用紙は1枚です。
頻出の学習単元は以下の通りです。
■生物
種子の発芽、植物の成長、メダカ、微生物、ヒトの誕生、花のつくり、昆虫、人体などから出題されます。
■地学
天気、台風、流れる水のはたらき、太陽と月と地球、大地の変化、星と星座など
■化学
もののあたたまり方、水溶液の性質、溶解、ものの燃え方と空気など
■物理
ふりこ、てこ(てんびん)、電池と回路、電流と磁石など
理科の対策としては、各単元をまんべんなく見直しておくことに尽きると思います。
広く浅く、既習範囲の内容を忘れないように復習することです。
小6の春休みに、5年生までの復習、小6夏休みには、(5年までの復習)+6年1学期の復習を徹底的におこなってください。
教材は、前述の問題集(新演習、ピラミッド、ウィンパス、新小問、実力練成テキスト)などの中から1~2冊決めて、春休みと夏休みに集中しておこなうことをおすすめします。
<社会の出題内容と対策>
日本地理です。
ここ数年は5年の3学期ですでに歴史に入っていますので、今後もかなりのハイペースで進むものと思われます。
例年、「新小学問題集」に沿って授業が進められていきます。
先生が用意されたプリントが使用される年もありますが、その場合も、プリントと新小問を基本に自宅学習をしていくのが良い方法でしょう。
地理の場合は、とくに日本地図をしっかりと頭に入れておく必要があります。
「日本地図」を常に手元に置き、地域や都市を確認しながら学習することが結局は近道です。
ニュースで聞いた地名なども地図で確認しておくと、地図を絡めた時事問題にも強くなること間違いなしです。
また、農業、水産業、工業など、各産業が盛んな地域を、平野や河川などと絡めて記憶していくことが大切です。
春休みを利用して、5年生になる前に地形区分/行政区分を確認しておくと良いでしょう。
常に地図帳を見ること、また、グラフや表などの資料から何が読み取れるかを考えるようにすることが試験でのよい結果 につながると思います。